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「金印・志賀島・阿曇族」26 宮地嶽古墳15

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2018.6.30 「金印・志賀島・阿曇族」26 宮地嶽古墳15 
 
『湖底の城は伍子胥が主人公だったので孫武の出番は少なく、以前調べた「呉王・闔閭(こうりょ)が戦死した後、孫武は伍子胥と共に夫差を補佐して越と戦い雪辱を果たした」というオハナシとは違って「闔閭が戦死した戦いの前に孫武は病死してしまった」というオハナシになっていました。
 
「え~ 話が違うよ」と思ったのですが、孫武が生きた時代は2500年も前のことで、この2500年の間に歴史家やら小説家やら詩人やら学者やらが「・・・と考えてよい」「・・・と考えたい」「・・・だったらいいな」「・・・ということにしよう」といったオハナシを量産してきたようですから、何が本当なのかはわかりませんね<(_ _)>。「臥薪嘗胆」も11世紀の蘇軾の造語のようですし、孫武非実在論まであるそうですし・・・・。
 
古代史の謎解きをしているうちにだんだん素直ではなくなってきてしまいましたが(T_T)、『湖底の城』ではチンプンカンプンだった「天(てん)勾践(こうせん)を空(むな)しゅうすること莫(なか)れ 時に范蠡(はんれい)無きにしも非(あら)ず」の勾践や范蠡とは何なのかを知ることができました\(^o^)/。
 
イメージ 1

「孫武は早くから敵方の情報を収集し、それを徹底的に分析して2年先、3年先を見越した策を立てて様々な手を打っておき、実際に動きだした時には勝利が見えていた。戦には情報が大事だということに世界で初めて気が付いたのは孫武だった」そうです。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」というのはそういうことだったのですね。
 
さらに「百回戦って百回勝つより、戦わずに勝つのが良い」として、戦わずに勝つためには様々な手を使ったようです。戦の目的は「美しく戦う」ことではなく、勝つことであり、兵の損傷や損害はない方がいいわけですが、戦えば必ず犠牲者や損害が出てしまいますものね。
 
実は私は「戦いとは勝ち負けよりも正々堂々と真正面からやるものだ」といつの間にか刷り込まれてしまっていたようで<(_ _)>、古代史の謎解きを始めた頃、ヤマトタケルが女装してクマソタケルに近づき不意を突いて殺したとか、イズモタケルを騙して殺したとかというオハナシを読んで、それって卑怯な手を使ったということなのではないか?と思い、作り話ならどんな美しいオハナシでも書けるのに、なぜわざわざそんな卑怯な手を使ったことを得意気に記したのだろう?と疑問に思ったのですが、どんなに素晴らしい戦いをしても、戦は勝たなければ意味がないのであって、「騙し討ちは卑怯」という価値観はなく、自陣に犠牲を出さずに相手を潰すことができたのであればそれは自慢になることだったのだと気が付きました。奇襲も罠も騙し討ちも買収も策であり、戦は結果がすべてなのですよね。
 
そのことに気が付いたのもサッカーを見ていた時でした(^o^)。ルールもよく知らずに見ていて、相手方が私には卑怯としか思えないことをするのを腹立たしく思った時、解説者がそれを非難するのではなく「クレバーな対応ですね、日本ももっとクレバーにならなければ」と言っているのを聞いて、どういう意味なのだろう?と思ったのです。
 
そして、ファールさえ取られなければ、審判が見ていないところで相手を潰したり、相手のファールで倒されたようなふりをしてPKを貰うのは、「賢いやり方」だと評価されるらしいことを知り、自慢げに記されたヤマトタケルのオハナシは、「卑怯な手を使った」ことを記したわけではなく「クレバー」であることを記していたのだということに気が付いたのです(^o^)。そういえば今回もそんなシーンがありましたが、ビデオ判定で覆ってしまいましたね。クレバーな策はやりにくくなったようです(^_-)
 
また、イタリアの選手が後ろの方でボールを回しているのを見て、もう時間がないのにあの人たちはなぜあんなことをしているのだろう?と思った時、「もう勝は決まっているから、無駄な体力を使わずリスクを避けて終了時間が来るのを待っているのだ」との解説を聞いて、なんて卑怯な!と腹を立てたこともあったのですが(激しいブーイングはそういうことでしょう)、それも有利に勝ち進むための戦術だったのですよね。
 
そんなことから、西野監督が情報を集め、集めたテータを徹底的に分析し、目先の勝ち負けだけにこだわらずに先を見据えて選手の大幅な交代をし、自分の本意に反しても状況に応じて確実性のある戦術を選んで実行したのを見て『湖底の城』の孫武のようだと思い、孫武かその子孫が2500年前に日本に来ていたなら、西野監督はその子孫なのかもしれないと思ったのです(^o^)
 
 
 

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