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水稲荷と穴八八幡57 稲荷神社2

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2018.3.3 水稲荷と穴八八幡57 稲荷神社2
 
「正一位」とはどれ程の価値のあるものなのか?というと、これは国家に対して著しい偉勲のあった人が叙されるもので、生前に叙された人はこれまでにたった6人しかいないそうです
 
では、天武天皇の皇子だった舎人親王は、国家に対してどんな著しい働きをしたのでその祖廟に「神階・正一位を授与されたのでしょうね?舎人親王が一品に昇叙されたのは養老2年(718年)ですから、不比等と藤原4兄弟が天武天皇の皇子たちを次々に殺し、女帝や幼帝を立てて全ての権力を握っていた時代、つまり不比等が「国家」だった時代なのですが。
 
舎人親王は、若くして次々に藤原氏に殺されてしまった天武天皇の皇子たちの中で唯一長生きできただけではなく、生きている間は「一品親王」の称号と破格の待遇を受け、亡くなった後には「太上大臣」を追贈され、さらに七男の大炊王が藤原氏に擁立されて「天皇(淳仁天皇)」になった後には「崇道盡敬天皇」という天皇号まで追贈されているのです。これが何を意味しているかは明白で、舎人親王は不比等と藤原氏(という国家)のために大きな働きをしたということでしょう。
 
舎人親王に追贈された「崇道盡敬天皇」
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舎人親王は不比等や藤原4兄弟に全面的に協力して天武天皇の子孫たちを排除し、藤原四兄弟を議政官にし、不比等の娘で4兄弟の妹である光明子を皇后に立てるなど、藤原氏の政権のために大きく貢献していたのです。舎人親王の祖廟への「正一位」の授与と、本人への一品親王の称号や破格の待遇の授与は、その貢献に対する国家(不比等)からの論功行賞ということでしょう。
 
論功行賞といえば、ウソの答弁を押し通した前理財局長は、論功行賞で国税庁長官に栄転しましたが、昨日のニュースを見ていたら、新しい理財局長も同じような答弁の仕方で押し通つもりのようです。もしうまく押し通せたら、この人はどこに栄転することになるのでしょうね(^_-)
 
舎人親王への論功行賞としての優遇がどのようなものだったかというと、一品親王には位田80町・品封800戸(『拾芥抄』では600戸)・資人160人が支給された他に、文学(ふみはかせ)・家令(いえのかみ)・扶(すけ)・大従・少従・大書吏・少書吏各1名が家司として派遣され、立場は正一位・従一位と同等で、待遇はそれを上回っていたそうです。

そして現在は、1712年に中御門天皇から賜った宮中内侍所(賢所)という藤森神社の中で一番立派な建物に「学問の神様」として祀られています。


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