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ニュートリノ(自然科学)と古代史

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2015.10.9 ニュートリノ(自然科学)と古代史

 

医学・生理学賞の大村智氏に続いて梶田隆章氏が物理学賞を受賞されたことで、ここ23日の間に「ニュートリノ」という言葉がニュースで飛び交い、広く認識されることになったようです(^o^)

 

プレートテクトニクスはプレートが動いて7000mのヒマラヤを造ったというような大きなサイズの理論でしたが、ニュートリノは「素粒子物理学」というこれ以上小さくはできないという究極の小さいサイズのものの理論です(^o^)。ところが、この極小サイズのものの観察から地球や生命の誕生から、宇宙の誕生といった極大サイズのものの謎までが解けるのだそうです\(^o^)/。ますます壮大な話になってきてしまって私の頭では追い付けませんが<(__)>

 

でも、人類の発生や拡散の謎を解いたのも分子生物学という眼には見えない小さなサイズのものの研究でしたから、これこそがホームズの言うところの「「細かな点をよく観察すれば、事件の本質が分かるんだがね。細かな点こそ何よりも重要なんだ」ということでしょうか(^o^)。やっぱりホームズはすごい!

 

新聞記事によれば「素粒子物理学」は20世紀後半に発展した「標準理論」を大前提にしているそうですが、この理論はニュートリノの質量がゼロであることを前提に成り立っているのだそうです。

 

ところが、梶田隆章氏が発見されたのは「ニュートリノには質量がある」ということですから、2012年の「ヒッグズ粒子」の発見で完成したとされていたこの「標準理論」は根底から覆ってしまったわけで、1998年の国際会議でこの研究成果が初めて発表されてから、「標準理論」に代わる理論の構築が世界中で始まっているのだそうです。

 

「科学とは、仮説の提示とその検証によって進む。そこでは、まだ誰も気づいていない事実を見通し、的確な仮説を見いだす能力が必須である。同時に、証拠から仮説の正しさを検証する。この繰り返しで科学は進むのだ。」

 

これは、二重らせんの発見者フランシス・クリックの伝記の書評からの引用ですが、クリックはこの仮説を考え出す能力に秀でており、その仮説を産み出すことの知的興奮こそが彼を科学に駆り立てていた原動力だったそうです。この正しい仮説を思いつく瞬間をクリックは「ユーレカ・モーメント(わかった!と思った瞬間)」と表現しているそうですが、科学者はみな、これが訪れる瞬間のために科学をやっているのだそうです(^o^)

 

完成したとされていた「標準理論」にも、この理論では説明のつかないところがあり、それを解決するカギを発見されたのですから、この時梶田氏には「ユーレカ・モーメント」が訪れたのでしょうね\(^o^)

 

科学では、そこに少しでも矛盾があったり、証拠によって仮説の正しさを検証できなかったりすれば、その理論は否定されてしまうのです。世紀の発見と騒がれたSTAP細胞がそうでしたよね<(_ _)>

 

自然科学はこのようにして、それまで信じられていた定説でもそれが矛盾を含んだものであれば否定されて、矛盾のない理論を構築することで発展してきたのです。

 

16世紀にはそれまで信じられていた「天動説」が否定され、「地動説」が新しい定説となった訳ですが、日本の古代史は、16世紀どころか1300年前の8世紀初めに作られた矛盾だらけの『古事記』が何の検証もされずに未だに信奉され続けているのです<(_ _)>

 

根拠も証拠もない作り話が記されているのですから、つじつまなど合うわけがなく、無理やりにつじつまを合わせた解釈書などを読んでみてもわけが分からなくなるばかりで、「ユーレカ・モーメント」など訪れるはずもありませんよね<(_ _)>

 

けれど、歴史学者さんたちのそんな非論理的なつじつま合わせの解釈を信じるのを止めて、論理的に自分で考えてそれを検証してみたら、小さな「ユーレカ・モーメント」が次々に訪れてくるようになりました\(^o^)/。そのささやかな瞬間のためにこのブログは2009.4から今まで延々と続いているのです(^o^)。世紀の発見やノーベル賞とは縁がありませんが、「ユーレカ・モーメント」が訪れる瞬間のためにやっているという点では私も同じです\(^o^)/。

 

梶田氏のノーベル物理学賞受賞を受けて日本科学未来館が賑わい、「素粒子物理学」を理解しているとは思えない小学生まで、目を輝かせて科学者になりたい、研究者になりたいと言っていましたが(^o^)、論理的に納得でき「分かった!」という喜びが得られるのであれば、子供も興味を持つのだろうと思います。

 

素粒子物理学や分子生物学などの自然科学分野の方々の業績を拝見すると、日本人は、本来は緻密に論理的に考える人種だったのではないかと思うのですが、今教科書で教えられている日本史は論理的に納得できるものではないから子供はそれ以上学びたいとは思わないのではないでしょうか(^_-)

 

多くの日本人が今のように非論理的になってしまった原因は明治政府にあったと丸谷才一氏はお考えだったようです。

 
 でも、このブログや「古代の地形から『記紀』の謎を解く」に関心を持ってくださる方が少しづつ(ほんの少しですが)増えてきているように、そんな状況も変わりつつあるのではないか、と私は希望的に感じているのですが(^_-)
 

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