2017.12.7 地球は熱湯の惑星だった?3 溶岩チューブと風穴
先日、月の地下には火山活動によって溶岩が流れた際にできたと思われる50kmにも及ぶ巨大な空洞が存在することが分かったという記事がありました。
月の表面の「マリウスの丘」には直径50m・深さ50mの穴があり、隕石がぶつかってできたクレーターとは明らかに様子が違って物質が飛び散った跡もないことから、その辺りの地下に「溶岩チューブ」と呼ばれる空洞があって、隕石衝突によってその地下空洞の天井が抜け落ちてできたものと結論したのだそうです。
溶岩チューブとは、流れ出した溶岩の表層部分が冷えて固まった後、内部を熱いままの溶岩が流れ続け、やがて溶岩が途絶えると流路が空洞になってできるのだそうですが、
溶岩チューブのでき方
溶岩チューブは地球では、さらさらした水のような溶岩を噴出する火山でよく見られ、富士山の風穴などの地下空間は溶岩チューブなのだそうです。それでは世界遺産に登録された群馬県の荒船風穴も溶岩チューブだったのですね。
荒船風穴
粘度の高い水飴状の溶岩の場合は、昭和新山のような溶岩ドームになるのだそうですが、こちらは構造が不安定で、中がまだ溶融状態のドームが崩壊すると火砕流や土石流や山火事などが引き起こされるのだそうです<(_ _)>。
昭和新山は有珠山の1944年(昭和19年)の噴火で、明治新山(四十三山)は1910年(明治43年)の噴火で生まれたもので、有珠山周辺に点在する金毘羅山、西丸山、東丸山などの小山は、いずれも有珠山の太古の活動で生まれた潜在円頂丘なのだそうです。
4つのプレートが接する所にある日本列島は火山列島であり、まさにドナルド・キーン氏が記されたように「ふんだんな美しい光景それ自体の陰にこそ、日本の生活の現実の困難がひそんでいた」のですね<(_ _)>。
噴気を上げていた焼山の山頂も溶岩ドームだったようです。