2017.11.25 山中地溝帯と海38 3万前の航海10
私は船旅をしたことがなく、海図も見たことがないので、海図ってどんなものなのか調べてみました(^o^)。
航海のために必要な水路の状況、すなわち水深、底質、海岸地形、海底危険物、航路標識などが、正確に見やすく表現されているそうですから、海の地形図ですね(^o^)。山歩きには二万五千分の一の地形図が必携であるように、航海には海図が必携で、一定規模以上の船舶には備え付けることが義務づけられているそうです。
海図では、海面の高さの基準面は座礁を避けるため、最大干潮時の最低水面になっており、海岸線の位置は、最大満潮時の最高水面になっていて、陸図の等高線の代わりに、等深線という水深のほぼ等しい場所を結ぶ細線が記載されているのだそうです。普段見慣れている陸の地形図とはずいぶん違うようです(^o^)。
この海図の精度は航海速度に直結し、19世紀初頭には4ヶ月かかっていたイングランド~オーストラリア間の航海は、20世紀初頭には1ヶ月に短縮されたそうですから、4倍も速くなったのですね(^o^)。精確な海図がなかった頃は、経験や伝聞情報を元に手探りでソロソロと進んで行くしかなかったのでしょうか。
このほか、海図には灯台などの航路標識の位置、定置網などの漁具の位置、無線局の位置、沈船の位置、海流・潮流一般、港界、海底の底質なども図示されているそうです。
最も古い海図は、13世紀中頃に地中海一帯で用いられた「ポルトラノ海図」だそうですが、地中海はユーラシアプレートとアフリカプレートの境界で、火山島が密集している多島海で、古代から人類が往来していた海だったからでしょうね(^o^)。
ヨーロッパ最大の活火山であるイタリアのエトナ山は、今でも頻繁に火を噴きながら標高を伸ばしていて、地中海の500mの海底では熱水が吹き出し、火山ガスが気泡となって噴き出しているそうです。エトナ山は2015年にも噴火して、この時は高度約7000mまで噴煙を上げています。
地中海は、西側の狭いジブラルタル海峡だけで外海の大西洋と繋がっている内海のようですから、その海底地形は内海で陸地になっていたこともある台湾海峡や瀬戸内海とよく似ているのかもしれません。地中海も、アフリカプレートの沈み込む速度が大きくなった600万年前にはジブラルタル海峡が閉じて海水が流入しなくなったために干上がり、アフリカ大陸と陸続きになっていたそうですし(^o^)。
それにしても地中海が干上がっていたとは・・・・・
陸や海はそれほどに大きく変化し続けていたのです。
その後、533万年前には海峡が開いたために再び海水が流入し始め、200年以上かけて豊かな海に戻ったのだそうですが、ギリシアの地下には干上がっていた時にできた600mの塩の層があるそうで、地中海は現在も大西洋より塩分濃度が高くなっているそうです。
地中海にしても瀬戸内海にしても、島が多くて水深の浅い所が多く、海底地形が複雑な内海ほど海図がなければ航海が難しい「灘」だったのかもしれません(^o^)。
瀬戸内海を熟知していた村上海賊は、船足を落とすことなく狙った船を追いかけて浅瀬や暗礁に追い込み、身動きが取れないようにすることができたのでしょうね。
ネコビタイ便り
今朝、今冬初めての霜柱を見ました。昨日の雨で土がたっぷり水分を含んでいたのですね。太陽が少し高くなった8時頃には霜柱が倒れて、一面にガラスのカケラを撒き散らしたようになっていました。