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Channel: 歴史探訪
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権力の座2

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2017.2.20 権力の座2
 
脱北者たちがジョンナム氏を担いで亡命政府を作ろうという動きがあったそうですが、それが歴史的に権力の座にいた人が最も恐れていたことであって、兄弟や異母兄弟を生かしておくことができなかった理由なのですよね(T_T)
 
王制や天皇制は血統だけが根拠なのですから、その血統につながる人を担がなければクーデターを起こす「大義名分」が作れないのです。逆に言えば、血統さえ利用できれば本人にその気や資質や能力があろうとなかろうとどうでも良かったようですから、本人が「政治に関心はない」と言っても、反体制側に利用されるかもしれないその存在自体が体制側にとってはあってはならないものだったのです<(_ _)>。『源氏物語』で桐壺帝が寵愛する光君を継承権のない源氏に臣籍降下させたのもそれが危惧されたからだったようですが。
 
『源氏物語』はオハナシですが、紫式部がそんなオハナシを書き、それが熱心に読まれたということは、実際にそういう動きや陰謀がよくあって、多くの人がそのことを知っていたからではないでしょうか。
 
「自殺するしか逃げ場はない」という手紙を弟に送っていたというジョンナム氏には、臣籍降下のような継承権放棄の選択肢はなかったのかな~?と思ったのですが、ダメですね<(_ _)>
 
生きている限りは、臣籍降下しても源定省(後の宇多天皇)や和気王のように皇籍復帰して天皇になったり、継承権を回復したりできたわけですし、
 
出家して世俗を離れたとしても、早良親王のように還俗して皇太弟になってしまったりするのですから、その存在自体を消してしまわない限り不安のタネは消えないということなのでしょう。早良親王も和気王も、結局は殺されてしまったのですが(T_T)
 
げに恐ろしきは権力闘争です<(_ _)>。大国主の国譲りや、兄に位を譲るために自殺までしたというようなオハナシに洗脳されていた私は、初めて韓国歴史ドラマを見た時、人物関係が複雑な上に誰が誰に陰謀を仕掛けているのか分からなくなってしまうほど陰謀だらけの権力闘争に息苦しくなって見るのを止めてしまったのですが、そちらが現実で『古事記』はオハナシだったのだということがだんだんに分かって来たら歴史の見方が変わってきて、不可解だった「古代史の謎」が次々に解けてきたのです。そんなことを望んでいたわけではなかったのですが・・・・
 
還俗と言えば、方便として出家した直虎は、還俗して結婚するのは止めて、「カビた饅頭」になる道を選んだようですね。この「伯と中」の饅頭のエピソードは初めて聞いたので、「伯と仲」なのでは?とその出典を調べてみたのですが分かりませんでした。あれは脚本家の創作だったのでしょうか(^o^)
 
そういえば、私は昨年末に「井伊直虎は女ではなく、男だった可能性を示す新史料が発見された」という小さな記事を見て、「直虎」って誰?と調べてみて「女城主直虎」がドラマになることを知ったのですが、それでは男だったことが分かったらドラマはどうなるのだろう?と心配してしまいました(^_^.)
 
ドラマはそのまま「女城主」として続行のようです。作家や脚本家は「本当の歴史を書く人」ではなく、「オハナシを創る人」だからそれでもいいのでしょうね(^_-)
 

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