2017.1.11 学者とアマチュア
短編集『駅路』には「陸行水行」という邪馬台国を巡るミステリーも収録されていました。
駅路
「陸行水行」は、学者が「『魏志倭人伝』の陸行一月はあまりにも長すぎるから一月は一日の誤写である」としているのは、自説に都合が悪いための都合勝手な歪曲だと考え、記述の通りに歩いて邪馬台国を確かめようとしたある人物を巡る事件なのですが、作中でこの人は詐欺師の疑いをかけられていました。
私はでたらめ(=うそつき?)とは言われましたが、詐欺師と言われなかっただけまだマシなのかな(^_-)?まあ、私はロマンとイリュージョンを期せずしてブチ壊してしまっただけで、夢を振りまいたわけではありませんから「詐欺師」と呼ばれる資格はないわけですが(^o^)。
「陸行水行」には
「(邪馬台国論争に)アマチュアが参加するのは歓迎すべきことですよ。学問が一部の学者の独占物になっていては本当の姿ではない。やはり一般民衆が参加することが望ましい。それには学問の表現手段が自分達仲間同士にだけ通じる用語であってはならないね。難解な専門語や文章が、高級な学者の発言だという迷妄はもうそろそろ打破しなくてはなりませんな。」
とありましたが、全く同感です(^o^)。
「郷土史家が中央の大きな論争に参加するのはいいことです。大和説にしても、九州説にしても、あまりに勝手な解釈が行われ過ぎていてだんだん原文をゆがめてゆくようですからな。」
これも全く同感です。郷土史家は、文献の観念的なつじつま合わせではない、地に足の付いた事実をたくさん掘り起こしていますしね。
仲間同士の合意の上に屋上屋を重ねて成り立っているような解釈が私には全く納得できなかったので、「なんで、なんで」をやっているうちに、学者さんたちが出す結論の3つのパターンが見えてきました(^_-)。
なんで?と疑問を持った時、現地に行ってみると地名や地形や伝承など解釈本では知ることができなかった発見がいろいろあるので、現場検証は面白いのです。
去年5月の「塩の道探訪」もいろいろと発見があって面白かったので、年を越しても未だに「穂高神社と安曇野 安曇族(海人族)」の考察が延々と続いているのですが、この実地踏査でフォッサマグナから海人族までいろいろな謎が解けてきたので、先日「塩の道」と「ジオパーク」の本を見かけて、フォッサマグナ・ミュージアムでジオパークの本を買ってきたことを忘れてまた買ってしまいました(^_^.)。
ところで、フォッサマグナ・ミュージアムにはオパールのような美しいアンモナイトの化石があってビックリしたのですが、これはアメリカ合衆国とカナダのロッキー山脈の東斜面にのみ産出するものなのだそうです。アンモナイトの化石がでるということは、ロッキー山脈も海だったということを示す立派な証拠ですよね\(^o^)/。
アンモナイトの化石
オパールのようなアンモナイトの化石は、アンモライトという生物活動によって作り出された宝石になっていて宝飾品に使われているそうです。