2016.11.19 穂高神社と安曇野132 安曇族（海人族）70 源氏物語
崇神系王族の中大兄のクーデター・乙巳の変から始まって、応神系の王族を排除するために謀略の限りを尽くしてきた藤原氏は、井上内親王を陥れて応神系の最後の王族・他戸親王を殺し、応神天皇の子孫達を残らず皇位継承者から排除してしまうと、今度は身内同士で権力争いを始めたようですが、共通の敵に立ち向かっている間は協力し合っていても、敵を倒し権力を握ったとたんに身内同士で後継争いや権力争いを始めるというのも、権力を握った人たちが常に繰り返してきたお決まりのパターンです(T_T)。
系図上では臣下の中臣鎌足の子となっているため、実権は握っても天皇にはなれなかった不比等は、自分の娘（宮子）が生んだ孫（聖武天皇）に自分の娘（光明子）を嫁がせ、生まれた子（基王）を生後32日で立太子させて天皇家乗っ取りをもくろみましたが、基王が一歳で夭折してしまい、その後光明子が皇子を生むことができなかったために、その壮大な計画は失敗してしまいました。
そこで藤原一族は、それぞれが自分の息のかかった天皇を立てて実権を握ることに作戦を変えたようです。4兄弟とその子孫達はお互いに天皇の外戚の地位を争うライバルになり、それぞれが天皇の後宮に娘を入れ、その娘を皇后の座に就けて生まれた子を皇太子にし、天皇の外戚になろうと一族間でしのぎを削り始めたのです<(_ _)>。
これは『源氏物語』に描かれている世界ですね。娘を飾りたてたのも、紫式部や清少納言などの才女を集めて娘に仕えさせたのも、すべて娘を皇后の座に就け孫を皇太子にするためだったのですから、後宮に送り込まれた娘たちもまた、実家の繁栄を背負って皇后の座を争うライバルだったのです。
『源氏物語』は小説ですが、その舞台はこの藤原絶頂期の朝廷ですから、この小説にはその時代が反映されています。光源氏の母は中流貴族の娘で藤原一族ではなかったのに、天皇に愛されて皇子を生んでしまい、その皇子が美しく才能豊かで天皇に寵愛されたために命を縮めることになってしまったのです(T_T)。天皇の寵愛を受ける母子は、藤原氏の外戚の立場を脅かす存在なのですから。ひょっとすると桓武天皇に寵愛されたために陥れられた伊予親王母子の事件をアレンジしたのかも？？？
この小説が熱狂的に読まれたのは、「この登場人物はあの人のことかな？この事件はあの出来事のことかな？」というような週刊誌の記事的な関心もあったのかもしれません(^_-)。光源氏のモデルは誰か？などということもあれこれ取りざたされていたようですから(^o^)。
どんな人がモデルとされているのだろう？と調べてみたら、嵯峨源氏の源融、醍醐源氏の源高明、光孝天皇、藤原道長、藤原伊周、源光、嵯峨天皇、藤原実方などたくさんの名前が挙げられていました(^o^)。
『源氏物語』は全くの創作というわけではなく、いろいろな人のいろいろな要素を取り入れて人物像を作り、様々な実際の出来事をアレンジしてオハナシを創ったようです。現実に即したオハナシだったからこそ、登場人物に自分や知人を重ねたりする多くの人の関心を集めたということなのかもしれませんね。
昭和のレガシー・ドライブインななこし
七輿山古墳で管理の方にお話を聞いていたら、古墳の隣にある建物の話が出てきました。↓の写真の左の木立の向こうに見えている低い長い建物ですが、ゲームセンターと自販機とレストランのあるドライブインで、今はレストランは閉めてしまっているけれど、昭和レトロということで映画のロケにも使われ、県外からもたくさんのお客さんがやってくるのだそうです。
その建物にはいままで全く気が付かなかったので、興味津々覗いてみました(^o^)。まだ時間が早かったのですが、それでも4,５台の車が止まっていてゲームをしている人や自販機のうどんを食べている人などがいました。
ゲームコーナー
自販機コーナー
しばらくすると、車やバイクが次々に入ってきたのですが、家族連れの人達も何組かいて、たしかにわざわざここにやってきた人たちのようでした。珍しいゲームやメニューがあるわけではなさそうですが、最近は古墳も見直されて整備されてきていますし、ある程度の年月を耐えることができれば今流行りの「レガシー」になるということでしょうか(^o^)。