2016.5.12 糸魚川ジオサイト5 小滝川ヒスイ峡
ヒスイと言えば、世界最大の産出国はミャンマーだそうですが、しばらく前にそのミャンマーのヒスイ産業が壊滅しそうだという記事が新聞に載っていました。習近平政権の「ぜいたく品追放運動」で中国マネーの流入が止まったことが原因だそうですから、やはり政治と経済は不可分のようですね。
川向うのフォッサマグナパークへは行けなかったので、引き返しながら小滝川ヒスイ峡へ行ってみることにしたのですが、小滝川に迫る大絶壁には、岩が大きな力で押し曲げられたことを示す褶曲や崩落したような跡が見られ、降った雨が滝になって流れ落ちている所もあって、大変な迫力でした(^o^)。
はるか下に見えた小滝川ヒスイ峡 左上は崩落の跡でしょうか
この岩壁のある明星山は、約3億年前のサンゴ礁が移動してきてできた石灰岩の山だそうですから、やはり海の底から隆起してきたのです。3億年前に海底に堆積したサンゴや放散虫の屍骸がプレートに乗って運ばれてきて、プレートの沈み込みによってユーラシア大陸の東端に押し付けられ大陸の付加体になったのですね。
その付加体が、ぶつかり合うプレートから大きな力を受けて押し曲げられて褶曲し、次々に押し寄せてくる新しい付加体によって海上に押し上げられて、1600万年前には大陸から剥がれ、今私たちが見ている明星山の大絶壁になったということのようです(^o^)。これもプレートテクトニクスによる説明ですね(^o^)。
大絶壁までの道には大きな落石はありませんでしたが、昨日の強風で落ちたらしい石が散乱していたので、いくつか拾ってきました(^o^)。小滝川は姫川に合流し、その姫川は糸魚川海岸に流れて行くのですから、この石はやがて姫川の石の一つになり、糸魚川海岸の石の一つになったのかもしれません(^_-)。まだ落ちたてなのでカドが取れていませんが。
ヒスイがいつできたのか、どうやってできたのかはまだ解明されていないそうですが、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む場所の海面下20~30kmの深さで曹長石が低温高圧の変成作用を受けてできたと考えられているそうです。
↑の石も石灰岩のようですから、たぶん3億年前のサンゴや放散虫でできているのでしょうね。白色や青味や赤味を帯びた石英が混じっているようですが、ひょっとするとヒスイになりそびれた「アスナロ」石なのかもしれません(^o^)。
私には判別できませんが、もしかすると石英ではなく曹長石やヒスイ輝石のカケラなのかも???