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山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖と諏訪湖29

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2016.1.28 山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖と諏訪湖29

 

スペイン人に滅ぼされたインカは、アメリカ大陸で最大で最も進歩した国だったそうです。

 

縄文人も、アメリカインディアンも、インディオも、アボリジニも、文字や鉄の武器を持たない先住民だったのですが、縄文人・アメリカインディアン・アボリジニは、王国や支配体制というものは作っていませんでしたから、人が人を支配する権力構造を作るということが「進歩」だというのであれば、王が太陽神の化身として頂点に立つ広大な王国を築き上げたインカは確かにアメリカ大陸で最大で最も進歩した国だったのでしょうね。

 

けれど支配体制を作るということは、身分の上下や格差や差別や競争を生み、支配者同士のシェア争いが生まれるということです。古代からの部族間の戦も、国家間の戦も、宗教間の戦争も、突き詰めればみなどれだけ多くを自分のものにできるかというシェア争いですよね。

 

そして、国家も宗教も頂点に立てるのは一人だけで、支配(搾取)階級に入れるのもほんの一握りの人だけですから、大部分の人は被支配(被搾取)階級にされてしまうわけです。

 

歴史ドラマには、支配者階級がきらびやかな衣装や豪華な装飾品を身に付けて山のような御馳走を前に歌舞音曲を楽しむ場面が頻繁に出てきますが、その間に被搾取階級にされた人たちはぼろを来て寒さに震えながら、自分の作った作物を自分で食べることさえできずに飢え死にしているのですよね(T_T)。北朝鮮の華やかなイベントのニュース映像を見るたびに、私は古代朝鮮王朝そのもののようだな~と思うのですが(-_-;)

 

人が人を支配する権力構造を作るということは本当に「進歩」なのでしょうか???

 

私は、弥生人やヨーロッパ人が(進歩した?)支配組織や権力構造を持ち込んで縄文人やアメリカインディアンやアボリジニを被支配者・被差別民族としたために彼らは不幸になったのであって、それまでは自由に、幸せに暮らしていたのだろうと思うのですが。

 

支配構造を「進歩」だと考えるのは、それによって働かなくても常に最上の贅沢ができるようになった支配する側、差別する側の考えでしょう。そして、それを正当化し、恒久化するために「神」を口実に使ったわけですね。

 

インカの王様は「太陽神の息子」として支配者の地位にあることを正当化していたわけですが、そのカミサマの息子を殺してインカを滅ぼしたピサロはカトリックのカミサマを大虐殺と略奪の口実にしたのです<(_ _)>

 

ピサロはインカの軍隊と戦ったわけではなく、戦意も無く武装もしていなかったインカの王とインディオ達を騙まし討ちにして一方的に殺戮したようですが、その残虐な行為によって得た勝利を「神の偉大なご加護によるものだ」としています。そうだとすれば、スペイン人だけを加護してインディオたちを虐殺させたカトリックのカミサマとは、スペイン人の利益のためだけに存在するものだったということなのでしょうね

 

ピサロがやったことは、今「神は偉大なり」と叫びながらISがやっていることと全く同じではありませんか。昔も今も「神とは都合の良すぎる方便」であり、人が権力や富を得るためにやってきたことやそのやり方、虐殺や略奪を正当化する理屈は、一部の人間が「支配」ということを思いついてからこの方ずっと変わっていないようです(T_T)

 

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