2016.1.27 山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖と諏訪湖28
インカがスペインに滅ぼされた16世紀は、ヨーロッパでは頑丈なキャラック船やキャラベル船が建造されるようになり、羅針盤がイスラムを介して伝わったことから外洋航海が可能になって大航海時代が到来し、アメリカにやって来たヨーロッパ人によってタバコが世界中に広がっていったそうです。たばこってアメリカ原産だったのですね。
マヤ文明の7世紀の「十字の神殿」に彫られたたばこを吸う神のレリーフ
↑がたばこに関する最古の資料だそうです
たばこを手に持つ戦士座像
これ、↓の土偶に似ていると思いませんか(^o^)
大航海とたばこの伝播
その頃の日本は室町時代で、それまで自分たちを「神の子孫」と称することで支配者の地位に安住してきた人たちが、出自ではなく能力や経済力などの実力を持つ人達に取って代わられていく下剋上の時代に向っていた頃ですね。
ヨーロッパからは最も遠くて小さな島国だった日本の国内で弥生人同士が支配権を争っていた頃、コロンブスに「発見」されてしまったアメリカ大陸やオーストラリア大陸ではヨーロッパ人による先住民の大虐殺と略奪が始まり、アメリカインディアンやアンデスの民(インディオ)やアボリジニたち先住民の苦難の歴史が始まっていたのです(T_T)。
16世紀にヨーロッパ人がアメリカ大陸に持ち込んだ天然痘は、わずか数年でインカ帝国の人口の60%から94%を死に至らしめ、そのためにピサロたちスペイン人がやって来た頃のインカは弱体化していたのだそうですが、インカの歴史を見ると、弱体化の直接の原因はいつの時代もどの王朝もそうだったようにやはり権力争いの内紛だったようで、天然痘で死去した王の後継を二人の息子が争って内戦になり、混乱していた所をピサロに付け込まれたようです(T_T)。
韓国歴史ドラマが微に入り細を穿って延々と描いているのは、王の複数の妻やその息子達による王位争いとそれぞれを担ぐ派閥の権力争いで、げんなりしながらそれをいくつか見ているうちに飛鳥~平安時代の歴史も全く同じであることが分かって来て、『記紀』が隠した本当の歴史が見えてきたのですが(^_^.)、インカもまた同じだったようです。本当に人間のしていることってどこの国でもいつの時代でも同じだったのですね<(_ _)>。
母親は息子を王位に就けるために陰謀を巡らし、人を殺すことなど何とも思わないどころか王である夫だって殺してしまおうとするし、敵国とだって手を組もうとするし、息子は自分が王位に就くためには父親や兄弟を裏切るなど日常茶飯事で、邪魔なら殺してしまおうとするし・・・それが韓国歴史ドラマの描いている権力者の世界で、あまりにもたくさんの人が理不尽に拷問されたり殺されたりするし、陰謀や争いの場面ばかりが続くので辟易してしまったのですが<(_ _)>、どうもそちらの方が現実に近くて、「大国主が天孫に国を譲った」とか「ウジノワキノイラツコと仁徳天皇が3年間も皇位の譲り合いをしていた」などと記している『古事記』の方が虚構だったようです。
それらのドラマを幾つか見た後、私は↓のような心境になってしまったのですが・・・・・
胡為 乎遑 遑欲何之
富貴 非 吾願
帝郷不可期
胡為(なにせ)んとて 遑(あわただ)しくも
遑しくも何(い)ずくにか之(ゆ)かんと欲する
富貴は吾が願いに非ず
帝(みかど)の郷(くに)は期す可(べ)からず
・・そんなに急いで何処へ行くのだ 富も権力もつまらぬものだよ・・