2015.12.30 山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖と諏訪湖8
日本の縄文時代から12.26の続きに戻ります。
どこの国でも統一国家やそれを支配する「中央集権的官僚的な権力」を持つ王朝や官僚組織は突然に出現したわけではなく、
縄文時代早期の集落のような5~6軒から10数軒の小さな生活共同体
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共同体の規模が大きくなって集団ごとに村長のような代表者が出て分担や組織ができる
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さらに規模が大きくなると集団内で組織力や力のあるものが争い、その勝者が首長(王)の地位に就いて統治システムが作られ、『魏志倭人伝』に記されている北九州のたくさんの小さなクニグニのようなそれぞれに首長(王)を戴く部族小国家群が林立する
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それらの小部族国家の王達が争ったり合従連衡を繰り返したりして、北九州の卑弥呼を盟主とする邪馬台国連合のような小連合が作られ、連合ごとに盟主(王)が立てられる
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『記紀』が記した安芸国・吉備国・紀国・常陸国などのような九州~東北までの小連合体の王が一人の盟主(大王)のもとでそれぞれ自国を治めながら緩やかに繋がる大国主体制のような大きな連合体が作られる
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中国の秦王朝、朝鮮半島の高句麗・新羅・百済の三国の王朝や、日本の大国主を滅ぼしてすべてを支配下に置いた天津族の崇神王朝のような、一人の王が全てを支配下に置く統一国家が作られる
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その王朝を長期存続させるために律令の制定など法や官僚組織が作られ中央集権化が始まる
というような段階を踏んで、同じような経過を辿って誕生していたようです(^o^)。
そして王朝が作られると、王やその周囲の支配者層の地位を絶対化し子々孫々まで独占し続けるために、どこの国でも「王(天皇)家に生まれた者以外は王(天皇)にはなれず、貴族の家に生まれた者でなければ支配層に入ることはできない」とする出自による身分制度が作られ、その根拠とするために「王や貴族はただの人間ではなく神の子孫である」とする神話が創られたのですね。
でも、出自と世襲と既得権益に胡坐をかいた権力はどこでも同じように腐敗して、絶頂を極めた後は既得権益を持つ者同士のパイの奪い合いになり後継争いや内紛が起きて、どの王朝も同じように衰退していったようです<(_ _)>。
日本もご他聞にもれず同じ道を辿り、平安時代に天皇家と藤原氏が栄華を極めた後衰退し、出自が低いことを理由に見下してきた武士に取って代わられました。
下剋上とは、『古事記』が作った神話を根拠に「神の子孫の嫡流であるという出自」のみを絶対的なものとして作り上げられた秩序が壊され、「能力や経済力、武力などの実力は持っているけれど従来の枠組みでは絶対に支配層には入れなかった」者が「能力や実力がなくても出自のみでその地位に就いていた」者に取って代わるということだったのだと私は思います(^_-)。
豊臣秀吉は「本姓・藤原」、徳川家康は「本姓・源氏」の神からの系図を買うことで実力の他に従来の枠組みも利用したようですが、それらの権威を否定し自らが「神になる」と言ったという織田信長には、やはり権威というもののカラクリがはっきり見えていたのでしょうね(^o^)。
カミサマがいっぱいで、謎とロマンもいっぱいだという日本の古代史は、ホモ・サピエンスの歴史として見ればなんの謎も矛盾もない普通の「人間の歴史」であって、『記紀』の謎は、藤原不比等がついたウソから生じたものなのです(^o^)。
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