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山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖と諏訪湖7

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2015.12.26 山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖と諏訪湖7

 

紀元前12世紀ころから始まったとみられるプレ・インカのティワナク文明は、紀元後400年頃から広範囲に広がり、その最盛期は、おおよそ750800年ころから10001100年頃で、その影響は、北はチチカカ湖の北岸から南はチリ・アルゼンチン・ボリビアの一部にまで広がっていたそうです。

 

このチリ・アルゼンチン・ボリビアの一部にティワナク様式の文化が見られることについて、学者さんたちは「それらの地にはティワナクの飛び地があった」としていたようですが、近年は研究者の間で、ティワナクは旧大陸のいくつかの帝国とは異なり、中央集権的官僚的な権力によって広大な領域を面的・恒常的に支配するような性格をもった社会ではなかったという見方が提示されているのだそうです。

 

これは「中央集権的官僚的な権力」という結果だけを国ごと、大陸ごとに見るのではなく、「人類(ホモ・サピエンス)の集団における権力構造の成り立ちの歴史」として順を追って見てみると、人類の到達した時期によってタイムラグはありますが、どこでも移動して行った先で最初は小さな生活共同体から始まったのであろうホモ・サピエンスの集団の中に権力構造ができ、支配者と被支配者に分けられていった過程は、どの大陸でもどこの国でも同じだということが分かってきます。人類には初めから神の子孫とそれ以外の人々との2種類がいたわけではなく、初めはどこでも「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」だったのです(^o^)

 

ティワナク文明が始まった頃から400年頃までの日本は大国主の時代であり、ティワナク文明が広範囲に広がったという400年前後は最後の大国主が天津族に滅ぼされて統一国家の崇神王朝が始まった頃、ティワナク文明が最盛期を迎えていたという9~12世紀の日本は平安時代で、中央集権的官僚構造を作った天津族の天皇家と藤原氏が九州から東北までを支配して絶頂期を迎えていた頃です。

 

大国主と崇神王朝については「古代の地形から『記紀』の謎を解く」をご参照ください。

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「古代の地形から『記紀』の謎を解く」 アマゾンヘ

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そして、人類の到達では日本に先行した朝鮮半島では、たくさんの部族小国家が紀元前に扶余・馬韓・弁韓・辰韓といった複数の連合体になっていて、紀元前後には高句麗・新羅・百済という三つの統一国家になり、その後新羅による三国統一や後三国時代などを経て936年に再統一され、中央集権的官僚構造を作った高麗王朝が10~12世紀頃に最盛期を迎えていたようです。

 

人類の到達ではさらに朝鮮半島に先行していた中国では、紀元前221年にすでに始皇帝によって統一国家が作られ、その後分裂の時代を経て7世紀末に隋によって再統一され、8~9世紀頃には中央集権的官僚構造を作った唐が最盛期を迎えていたのです。

 

中国→朝鮮半島→日本という人類の到達時期によって、中国、朝鮮半島、日本では、権力構造の始まりは200年くらいずつのタイムラグがあったようですが、時代が下るほどその時間差は縮まっていたようです。これは後になるほど人や情報の移動が早くなったということなのでしょう。現代では、どんな情報でも瞬時に世界中に伝わりますし、人の移動も年単位ではなく、時間や日数の単位ですものね(^_-)

 

人類がアンデスに到達したのは12000年前と遅かったようですが、ペルーでは400年頃からティワナク文明が広範囲に広がったそうですから、日本で200年頃に大国主体制が作られた後大国主の持っていた文化や技術が傘下の各国に広がっていったように、ペルーではさらに日本から200年遅れて400年頃に同じような連合体が作られ、ティワナク文明が傘下の各地に広がっていったのではないでしょうか(^o^)

 

中央集権的官僚構造のインカ帝国が作られたのは、パチャクテクが1438年に即位してからのようですから、9~12世紀のチリ・アルゼンチン・ボリビアの一部にみられるというティワナク様式の文化はティワナクの飛び地があったのではなく、それぞれそこを根拠地としていた連合傘下の部族が取り入れたものであろうと私は思います。


ところで、チリとアルゼンチンには岩塩があるのかどうか検索してみたら、どちらにもあって市販されていました(^o^)。岩塩がない国の方が少ないみたいですね。

 
マラスの塩田の塩と四川省の塩 どちらも岩塩を溶かした水から作られています。
イメージ 1

マラスの塩は純白ではなく、薄い褐色です
 

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