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山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖2

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2015.12.19 山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖2

 

淡水湖だとされているのにチチカカ湖は、今も0.1%の塩分を含んでいるのだそうです(^o^)

 

複数の流入・流出河川があり、アンデス山脈の雪解け水が常に流入しているのに1億年経ってもまだチチカカ湖に塩分が残っているのは、もしかすると近くに岩塩の層があって、流入する川が塩分を含んでいるのかもしれないと思いついて調べてみると、やはりチチカカ湖周辺では岩塩が採れることが分かりました(^o^)

 

それなら「地球 塩の旅」にもペルーの岩塩について何か記されているかもしれないと調べてみると、この本には岩塩ではなくインカの塩田が載っていました(^o^)。アンデス山脈の中腹に13%の塩分を含んだ地下水が流れ出る所があり、インカ時代から山の急斜面に棚田を作ってこの水を棚田に引き込み塩を作っていたのだそうです。

 

インカの塩田 マラスの棚田

 
イメージ 1

ここには1000枚近くの小さな棚田が造られていて、この棚田1枚から1シーズン(乾季と農閑期が重なる59月)におよそ1000g前後の塩が採れるそうです。この本には「1枚の塩田から1シーズンに1000㎏前後の塩が採れる」と記されていたのですが、およそ30日で塩水は塩の結晶になり、シーズン中に5回収穫できて一回の収穫量は150300gだそうですから、1000㎏は1000gの間違いで、1枚の田から1シーズンに採れるのは1㎏前後のようです(^o^)

 

塩田で塩水から塩を作るのですから、日本の揚げ浜式塩田と同じようなやり方のわけですが、日本では3.4%と塩分濃度の薄い海水を人力で塩田まで運び上げなければならなかったうえに雨が多く湿度が高いので、塩の結晶を得るには塩田で濃縮した後、さらに釜で炊いて煮詰めなければならなかったのに対して、インカでは13%の濃い塩水が水路から塩田に流れ込み、30日で自然乾燥して塩の結晶になっていたわけですから、やはり海に囲まれてはいるけれど塩湖も岩塩もない日本が塩の入手には一番苦労していたようです<(_ _)>

 

この地下水は、地下の岩塩層から湧き上って来るのだそうですが、ここではインカ時代からこのやり方で塩を採っていたのですから、これまでにざっと1kg×1000枚×1000年分くらいの大量の塩を採取したことになりますが、それでもまだ13%もの塩分濃度の水が湧き続けているほど無尽蔵の岩塩の層が地下にあるようです。

 

やはり1億年経っても塩分を含んでいるチチカカ湖には、塩分を含んだ川水か地下水が流入しているのかもしれませんね。

 

Wikipediaには「チチカカ湖は淡水湖」と記されていたのですが、塩分を含んでいても「淡水湖」なのかな?と疑問に思ったので調べてみると、「地理学上の定義では塩類の濃度が500 mg/L (0.05%) 以下の場合を淡水湖と呼ぶ」のだそうですから、この定義に照らせば0.1%の塩分を含むチチカカ湖は立派な「塩湖」ですよね(^_-)

 

そういえば、広大な塩原を作ったボンネビル湖もWikipediaには「淡水湖」と記されていたのですが、あの膨大な塩の量を見ても、これまでだれも「淡水湖」だとされてきたことに疑問を感じなかったのでしょうか(^o^)???


 ボンネビル・ソルトフラッツ 
イメージ 2

この塩の原は100kmにわたるそうですが、淡水湖にこんなに大量の塩があったはずはありませんよね~(^_-)

 

ちなみに年間雨量が極端に少なくて乾燥の激しいグレートソルト湖では塩分濃度は海水よりずっと濃い約25%になっているそうです。

 

――・――・――・――・――・――・――・――・――

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