2015.12.18 山の隆起と世界の塩湖 チチカカ湖
ある冊子に「天空に浮かぶ太古の湖 ペルー、チチカカの神秘」という特集が載っていました。
チチカカ湖は、面積が6800㎡で琵琶湖のおよそ12倍もあるそうですが、特集には、「この湖は約1億年前にアンデス山脈が隆起した際に押し上げられた海で、その証拠に湖の水を口に含むとわずかな塩味が舌に残る」と記されていました。アンデス山脈もヒマラヤ山脈と同じようにプレートの移動によって古代の海ごと天空に押し上げられたのですね(^o^)。
Wikipediaには「チチカカ湖は、アンデス山中のペルー南部とボリビア西部にまたがる淡水湖」と記されていましたが、このペルーの3800mの所にあるチチカカ湖は、ボリビアの3700mの所にあるウユニ湖やチベットの4718mのところにあるナムツォと同じで、陸に閉じ込められた古代の海が押し上られて天空の塩湖になったようです(^o^)。
ウユニ湖
「塩湖のほとんどは農業に適さないような過酷な乾燥地にある」と記されていますが、そういう場所だから「塩湖」として残ったのであって、日本のような湿度が高く、雨量が多くて農業に適しているような所では、塩は雨に溶けて流れ、淡水湖になってしまったのです(^_-)。
「地球 塩の旅」にはボリビアのウユニ湖は載っていたのですが、チチカカ湖のことは載っていませんでしたから、今はもう塩湖ではなく、琵琶湖や諏訪湖と同じように淡水化してしまっているのかもしれませんね。
ウユニ湖 「地球 塩の旅」より
乾季には120kmの対岸まで一面に結晶した塩の原になるのだそうです。中央は切り出した塩の塊。
でも、チチカカ湖には大きな湖(Lago Grande)と小さな湖(Lago Pequeño)があって、この二つはティキーナの海峡の幅約800mほどのところでつながっているのだそうですから、3800mの高地に押し上げられて淡水湖になってしまった今も「海峡」の名前は残っているようです(^o^)。古い地名は、その土地の当時の地形を伝える「歴史の証人」で「無形文化財」なのです。
チチカカ湖にはアンデス山脈の雪解け水が複数の河川となって注ぎ込んでいて、湖からは大きな河川ではデサグワデーロ川が流れ出してアルティプラーノの南部にあるポーポ湖へと連なっているそうですが、複数の川が流入しているのも流出河川があるのも琵琶湖や諏訪湖と同じですね。雨の多い日本では流入河川の数も流入量もずっと多いので、琵琶湖や諏訪湖の水にはもう塩気はないようですが(^_-)。
チチカカ湖の平均降水量は、湖岸で400~800mm、湖中央で最大1500mmほどだそうですから、ほとんど雨が降らず蒸発・乾燥の激しいアメリカのソルトレイクやボンネビル・ソルトフラッツのような塩分濃度の濃い塩湖や塩が結晶した塩原にはならず、琵琶湖や諏訪湖のように淡水化してきたようです。
ボンネビル・ソルトフラッツ こちらも100kmにわたる一面の塩の原です
Wikipediaには、最初に「チチカカ湖は淡水湖」と記されていたのですが、ずっと読んでいくと「熱帯で標高が高いため湖水の蒸発が激しく、そのため塩分の量が多く1Lあたり約1gほどある。」と記されていました。海水の塩分濃度は3.4%ですから1億年の間に大分薄まってしまったようですが、それでもまだ0.1%の塩分が残っているのですね(^o^)。