実際は皇后でさえなかったのに、夫の死後天皇になったとされている推古女帝や皇極（斉明）女帝はそもそも作り話ですから論外なのですが、聖武天皇が娘に譲位し、安倍内親王が日本初の女帝となった時には、直系の皇子たちが大勢いたのに女帝だったことになっている持統・元明・元正の3人の女帝の時とは全く事情が違っていて、娘に重責を負わせ、結婚することもできなくなってしまうことが分かっていても、聖武天皇には他に選択肢がなかったのです。
首皇子（後の聖武天皇）の母は不比等の娘の藤原宮子なのですが、不比等は系図上では鹿島の国津族であった神別氏族の中臣鎌足の子になっていましたから、その娘の宮子も天津族の王族ではなく神別氏族の出身となり、皇后になることはできない妃より格下の「夫人」だったのです。
文武天皇には妃がいなかったとされていて、学者さんたちの間では「即位時には必ず妃が立てられていたはずなのに、なぜ文武天皇には妃がいなかったのか謎である」ということになっているようですが、血筋が絶対だった時代に次の天皇の母となる王族出身の妃がいないということはあり得なかったのではないかと思って調べてみると、文武天皇には王族出身の石川刀子娘（いしかわのとねのいらつめ）と紀竈門娘（きのかまどのいらつめ）という二人の妃がいて、石川刀子娘には広成・広世という二人の皇子も生まれていたことが分かりました。
ということは、そのままでは皇子を生んだ王族出身の石川刀子娘が皇后になってしまい、王位はその長子の広成が継ぐことになって、不比等が自分の孫の首皇子を天皇にすることはできなくなってしまいます。そこでどうしたか？
「男なら謀反、女なら呪詛など」をデッチ上げて密告させ葬るという藤原氏が繰り返し使ってきたおなじみの常套手段で二人の妃を「夫人」より格下に降格させ、広成・広世の二人の皇子を臣籍降下させて王位継承権を剥奪してしまったのです。「呪詛や不義密通をした」と密告されると「しなかった」ことを証明することは不可能なのですよね(T_T)。
臣籍降下させられた二人の皇子は「石川朝臣」となり、その後「高円朝臣」という皇別氏族になったようです。
その結果「夫人」の宮子が最上位となり、宮子の生んだ首皇子が不比等の計画通りに立太子され、天皇になったのです。
草壁―文武
||－首皇子（聖武天皇）
不比等―宮子
ところで、最近「振り込め詐欺」や「還付金詐欺」の電話がものすごく増えているので、ちょっと注意喚起を！
あまり頻繁にかかってくるので「安心応答モード」を設定したのですが、「あなたのお名前をどうぞ」と流れたとたんにガチャｯと切れる電話が毎日のようにあって、今日はもう3度もかかってきています<(_ _)>。
安心応答モードにしたら、今度は1回だけ鳴らして電話を切る「ワン切り電話」がかかってくるようになり、折り返しはせずに無視していたら、次には↓のようなハガキが来ました。
8日に届いて、10日までに連絡しないと差し押さえになるとかの脅し文句と必ず本人から連絡するようにと相談窓口の電話番号などが書いてあります。新手の詐欺のようなので無視しましたが、10日を過ぎても何事も起こりませんでした(^o^)。
でも、記された番号に電話して大金を騙し取られてしまった人もいるようですし、電話したら取り下げ費用として5万円振り込むように言われ、「その5万円は後ほど還付金として戻ってきます」と還付金詐欺とミックスしたようなことを言われた人もいたそうです。この人は、その直後にまた別の人から5万円を振り込むようにと電話がかかってきたので詐欺だと気が付いたそうですが。
区役所やら裁判所やら警察やら警視庁やらと、いろいろな名前を名乗ってきますから、ご用心ください。