滝が渓谷を刻んでいた板橋区の加賀から北区の滝野川城跡の辺りでは、石神井川は多くの滝があって水量も多く急流だったので「滝野川」と呼ばれていたようですが、少し下流の飛鳥山の麓ではこの川は「音無川」となっているのですよね。
大きな水音を立てて流れていたはずなのに、なぜ「音無川」なのだろう?と疑問に思って調べてみると、この名前は紀州の「音無川」に由来するもので、紀州出身の8代将軍吉宗が命名したのだそうです。
紀州の音無川は、和歌山県本宮町を流れ、熊野本宮大社の旧社地近くで熊野川に注いでいる熊野川の支流だそうですが、ここの「王子」という地名は、中世にこの豊島郡を支配していた「豊島氏」が熊野を信仰していて、紀州熊野から若一王子神社を勧請したことに由来するそうで、飛鳥山の「飛鳥」も大阪や奈良の飛鳥ではなく、熊野の阿須賀(あすか)神社に由来するのだそうです。
そのため1716年に八代将軍となった徳川吉宗が、紀州に因む地名を持つこの地に目を止め、享保の改革の一環として桜を植えさせて庶民のお花見の場所として整備し、自身も足を運んでこの川を熊野に因む「音無川」と命名したようです。
飛鳥山の碑
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.

↑の石は紀州から献上されたものだそうです。
このあたりにもかつて「権現の滝」と呼ばれた滝があったそうですから「音無」だったはずはありませんよね(^_-)。石神井川もここから先は暗渠になっていたのですね。川の汚れと言えば、「JR王子駅構内のトイレの汚水が下水道工事の不備で2009年まで40年以上にわたって川に垂れ流しにされていて、川から発生する悪臭の一因となっていた」ということを先日知ったばかりでした<(_ _)>。
「飛鳥山」という名前で呼ばれているここも実際は「山」ではなく、標高25.7mの愛宕山より30㎝低い25.4mの武蔵野台地の端ですから、「飛鳥山」という名前は国土地理院の地形図には記載されていないそうです(^o^)。
標高
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Clik here to view.
