「倭王・武の頃（5世紀）まで日本に鉄はなかった」というのが学者さんたちの常識になっているようです。
NHKのこの番組の中では、学者さんたちが「石上神宮の七支刀は西暦369年に百済で造られて同盟の証として倭国に贈られたものだ」と言っていたのですが、西暦が導入されたのは明治6年のことで、それまで年号は干支で記されていたのですから、七支刀の銘文に「西暦369年」と刻んであるはずはありません。
では、なぜ学者さんたちが「西暦369年に百済で造られた」と当然のように言っていたのかというと、七支刀に刻まれている銘文の「泰○四年十○月十六日丙午正陽造百錬○七支刀○辟百兵宜供供侯王○○○○作」の「泰○四年」を「泰和四年」と解釈して「西暦369年」と換算したようなのですが、「泰○四年」を「泰和四年」とした根拠は、『日本書紀』の神功皇后紀に記されている「367年に百済が倭国に朝貢した」という記述のようです。
でも、神功皇后（1926年に天皇の系譜から削除されています）は架空の人物であって、「神功皇后紀」は完全な作り話（つまりウソ）なのですから、この記述は根拠にはなりえませんし、もしも実在の人であったとしても、神功皇后の在位は西暦の200～269年だとされているのですから、全く時代があっていないではありませんか。このつじつまを合わせるために作った「説」は、全くつじつまが合っていないのですよね(^o^)。
神功皇后は実在の人物ではありませんし、三韓征伐もしていませんし、3世紀には大和朝廷もまだありませんから百済が朝貢してきたはずもありません。「泰○四年」は「泰和四年」ではなく、七支刀が造られたのは西暦369年ではないのです。けれど学者さんたちの間では「泰○四年」は「泰和四年」で「西暦369年」のことであるというのが常識になっていて、そのことに疑問を持つ人はいないようです<(_ _)>。
↓は平成21年に開催された特別展の図録なのですが、学者さんたちの世界では「泰○四年」は完全に「泰和四年」で西暦369年だということになっているのですね。
大きな災害があると必ずデマが飛び交うようで、関東大震災の時には「不逞鮮人暴動」というデマが流されて、多くの朝鮮人や内地人や外国人が殺された虐殺事件に発展したそうですが、熊本地震の時には「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマが流され、今度の北海道地震では「自衛隊からの情報」や「NTTからの情報」とするデマが流されたそうです。
そういったデマに惑わされないためには、事実かどうかをまず確かめることが必要だというのが「識者」と言われる人たちの意見なのですが、このデマってなんだか「学者さんたちの常識」に似ていませんか。
『記紀』書いてあるということをだけ根拠に、真偽も確かめずに「説」を作って流し、その「説」を検証もせずに既定の事実として引用したり教科書に載せたりすることで一般人がそれを事実であると思い込んでいくのは、災害時のデマを真偽を確かめもせずに一般人が信じ込んでいくのと同じではありませんか。
この場合「自衛隊」や「NTT」のような出所の信頼性の役割を果たしているのが「○○大学教授」や「○○研究所所長」などの肩書のようですが、そうであれば、「学者さんたちの常識」に関してもデマと同じように「事実かどうかをまず確かめることが大事」なのではないでしょうか(^o^)。
台風21号が大変な被害をもたらしたばかりなのに、すでに22号・23号が発生しており、アメリカでは2005年のカトリーナより強力なハリケーン・フローレンスが上陸しようとしていて非情事態宣言が発令され、100万人以上にに避難命令が出されているそうですし、台風22号は台風21号より強い今年最強のスーパー台風になってフィリピンに向かっているのだそうです<(_ _)>。
台風も次から次に発生していますが、スポーツ界のパワハラも駅伝・ウェイトリフティングと次から次へと発覚してきていますね<(_ _)>。最初は告発された側が、否定したりウソをついたり逆に相手を誹謗中傷したりしてぐずぐずと保身を図って長引かせていたようですが、だんだん対応が早くなってきたようです。長引かせて騒ぎを大きくし、大学や全体がイメージダウンして大きなダメージを受けるより、さっさと認めて個人を処分し、傷が浅いうちに幕引きを図る方がましだと学習したということでしょうか(^_-)。