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「幻の環3」

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2018.4.16 「幻の環3
 
東京の環状道路は1号から8号まで計画されていたようなのですが、
 
6号(山手通り)・7号(環七)・8号(環八)は交通情報でもよく聞きますが、345はあまり聞いたことがなく、どこにあるのかも知りませんでした。
 
早稲田界隈を探訪していて、4号線は今造っているところであることや、その道筋がだいたい分かってきたのですが(^_^.)
35はまだ知らないままでした。
 
春日通りの方から小石川植物園へ向かうと、植物園までの間に中央に植え込みがあって彫刻やベンチなども置いてあり、そこだけ幅の広い公園のような通りがあるのですが、ここは車も通っていますし車道の両側には歩道もありますから、公園ではなく道路なのですよね。
 
この公園のような広い道は春日通りから突然に始まって、先はT字路になって突然に終わっているので、これはなんなのだろう?道なのか?公園なのか?と疑問に思って以前調べてみたら、環状3号線の一部であるということが分かったのですが、その後も道路が延びる気配は全くなかったので、この道路計画は頓挫したのだろうと思っていました。
 
先日たまたまこの道についての記事が新聞に載っていたので、この環状3号線がどのように計画されていたのかが分かりました。港区から江東区までを結ぶ26.7kmの環状道路にする計画だったようですが、前後が未完成のまま歳月が流れたため「幻の環3と呼ばれているのだそうです。3号線はこの区間だけしかないので交通情報でも聞いたことがなかったのですね(^o^)
 
イメージ 1

イメージ 2

この区間には半世紀前に住民が植えた桜並木があるのですが、この道が現在の公園のような姿になったのは1995年で、幅40mの片側3車線の道を2車線に縮小して中央分離帯を広げ、遊歩道や小川を設けたのだそうです。
 
それ以前のこの道がどんな風だったかあまり記憶が無いのですが、ただ広いだけの普通の道だったのでしょうね。いつだったか植物園に行った時に「あれ?こんな公園みたいな道だったっけ?」と思ったことがあるのですが、植物園に行くために通り過ぎていただけのその辺りに興味を持ったのは、たまたま同潤会女子アパートを舞台にしたミステリーを読んだ時に「同潤会女子アパートが解体されることになった」というニュースがあって、春日通りとの角にあるのがその建物であることが分かったので、解体されてしまう前にその歴史的な建物を見に行ってみたのです。
 
この道が公園のようになったのを知ったのはその時だったので、あれはいつ頃だったのかな?と調べてみたら、1930年に建てられたこのアパートが解体されたのは2003年だったそうですから、もう15年も前だったのですね。本の内容はすっかり忘れてしまったのですが<(_ _)>、このアパートを舞台にしたミステリーは戸川昌子著『大いなる幻影』で、この作品は第8回江戸川乱歩賞を受賞したそうです。
 
ついでに5号線も調べてみたら、こちらは港区南麻布から北区滝野川に至る環状道路で、大部分が明治通りと重複しているそうです。
 
すると幻になっているのは3号線だけのようですね。播磨坂はすっかり公園のようになっていたので、3号線は「幻」のままになるのかと思ったのですが、4号線が急ピッチで造られているのを見るとまだ分かりませんね。日本の公共事業は「走り出したら止まらない」そうですから(^_-)。
 
 
 

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