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山中地溝帯と海32 3万8000年前の航海4

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2017.11.19 山中地溝帯と海32 38000年前の航海4

 

3万年前の海が今より100~150mも浅くて狭く、間にたくさんの島があったのであれば、小さな草の舟でも行き来することができたでしょうし、近くの島であれば歩いたり泳いだりして行き来していたかもしれません。現代でも流れが速くて水が冷たい34kmのドーバー海峡を泳いで渡る人がいるのですから(^o^)

 

2016年の航海実験の失敗は「いつもより流れが速いのが陸からではわからなかったため」としているようですが、本当の原因は潮の流れや舟にあるのではなく、3万年前の海や陸が今と同じだったと思い込んでいることにあるのですから、2019年に予定しているという台湾から与那国島への航海実験も成功はしないと思います。

 

75kmの海を渡ることができなかった草舟が、それ以上の距離を渡りきることはできないでしょうし、この実験の目的は「3万年前の航海を再現する」ことのようですが、もしもその草舟が与那国島に辿りつくことができたとしても、3万年前の人たちは水深が100以上もある深い海を200kmも草舟を漕いでやってきたわけではないのですから、3万年前の航海を再現した」ことにはならないのですよね3万年前の人たちに漕ぎ手の交代要員を乗せた船が伴走していたはずもありませんし。

 

2016年の実験では、水を入れた容器が何だったのかが分からなかったので、ペットボトルを持っていったそうですが、2019年にもペットボトルを持っていくのでしょうか?けれど、3万年前には無かったペットボトルを使うことにした時点で、この実験はもう「3万年前の航海を再現する」実験にはなりえなかったのですよね。

 

3万年前は先土器時代で、土器はまだ発明されていなかったのですから、何日もの航海に必要なだけの水を運べる「水を漏らさぬ大きな容器」は無かったのです。炎天下で30時間も舟を漕ぎ続けるためにどれくらいの水が必要か?30時間漕いでも島がなかったなら水の補給はどうするのか?水が生存に不可欠な物であることを考えれば、3万年前の人々が何日かかるか分からないような航海に出たはずはないと私は思います。

 

以前何かで、文明にほとんど触れずに昔ながらの生活をしていた原住民が、流れ着いたペットボトルを宝物にしていたという話を読んで、それは液体をこぼさずに持ち歩ける容器だったからなのではないかと考えたのですが、土器が発明される以前は、液体を持ち運べる天然の容器はヒョウタンくらいしかなかったのではないでしょうか?ヒョウタンが有史以前から栽培されていたのは水を運ぶことができたからだったのだろうと私は思うのですが。

 

土器は持ち運ぶには重すぎますが、水を溜めたり運んだり煮炊きができたりする土器の発明は画期的なものだったのだろうと思います\(^o^)/。でも、3万年前にはその土器さえまだなかったのですよね。

 

昔から液体を入れる容器として使われていたヒョウタン

 
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ヒョウタンの原産地はアフリカなのですが、このヒョウタンの伝播経路はアフリカで発生した現人類(ホモサピエンス)の拡散経路とピッタリ重なっているようです。これは、人類が飲み水を入れたヒョウタンを携行して移動していったからであろうと私は思います。現代だってペットボトルの自販機のない登山や山歩きには水筒は欠かせませんよね(^o^)

 

ヒョウタンの伝播経路

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人類の拡散経路 

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