2017.10.7 新海三社神社2
タケミナカタが諏訪から上野国(群馬)に行くのに通った南牧川沿いの現在の93号線は、地図で見るとヘアピンカーブの連続する山道のようなので、車が通れる道なのかどうかと不安に思いながら出かけたのですが、2000年近く前にタケミナカタが通ったこの道は、古代には長野と群馬を結ぶメインの街道だったのではないかと思います。
93号線沿いにはいくつか下仁田ジオパークのポイントがあって、
それも見たかったので、関越で下仁田まで行って群馬側から佐久の新海三社神社に向かったのですが、現在は「西上州やまびこ街道」という名になっているこの道沿いには、家々が道沿いに並んでいましたし、家が途切れて山道になり、もうこの先に集落はないのだろうと思いながら走っていると間隔を置いて道沿いにいくつかの集落がありましたから。
ヘアピンカーブの続く山道に入る手前に↓の表示があったので、
その洞穴と地下湖を見てみたいと思って右折して集落の方に向かってみたのですが、その集落には道沿いに家が並んでいたものの人の気配は全く無く、家も吹きさらしの廃屋になっているものが多くて、もう誰も住んでいないようでしたし案内板のようなものもなかったので、洞穴がどこにあるのか分からないままに集落を通り抜けたら、右折する前の場所に近い所に戻っていたので、異次元空間に迷い込んで戻ってきたような不思議な気持ちになったのですが・・・・・・
巾着のような形で集落の中を通っていたこの道は、集落に人がいなくなったため、巾着の口の部分を繋いでショートカットする道が造られていたのですね。
現在はこの道の北の方を広くて平らな254号(コスモス街道)が通り、高速道路も通っていますし、この道は120mm以上の雨が降ると通行止めになる曲がりくねった一車線の山道なので、この道を通る人や車はほとんどいないようです。南牧村から新海三社神社まで延々と走って行く途中で出会った車は2台だけでしたが、すれ違いも難しいような山道だったので、対向車が来なかったのは幸いでした(^o^)。
他には5、6台のバイクと1台の自転車にすれ違ったのですが、車も人も通らず、カーブが続くこの道をバイクで走るのはスリリングで面白いのでしょうね(^o^)。自転車には「ここまで自転車で登って来る人もいるのか!」とちょっと驚きましたが。カーブには番号が記されていたのですが、No.200くらいまであったようです(^o^)。
途中には見晴らしのきくところもないままにヘアピンカーブをいくつも越えると田口峠に出ました。今調べてみたら標高は1100mくらいあったようです。
田口峠
この峠が県境だろうと思ったのですが、調べてみたら県境はずっと東で、ヘアピンカーブの山道に差し掛かる手前にあった広川原の集落は佐久市でした。↑の洞穴の案内板にも確かに長野県指定と書いてありますね。
この峠から先も川に沿った山道だったのですが、この峠が分水嶺になっていて、長野側の川は雨川でした。峠のトンネルから先は少し明るい道になっていて、しばらく下ると目の前が開けてきて、途中から旧道に入るとオキハギノミコトを祀る新海三社神社の前に出ました。
タケミナカタが通った頃のこの道は、ヘアピンカーブのつづら折の道ではなく、斜面を直線的に上り下りする急峻な山道だったのでしょうね。9世紀には最澄がこの道を通って信濃国から上野国へ向かい、その山越えの峻険さを記録に残しているそうです。