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穂高神社と安曇野42 大陸棚って?6

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2016.7.24 穂高神社と安曇野42 大陸棚って?6

 

パラオのロックアイランドは、海面に接する辺りがくびれてマッシュルームのような形になっていたりするのですが、このくびれは、海面近くに付いた海草などを小さな生き物が食べる際に岸壁も削ってしまうためにできた「生物浸食」で「ノッチ」というそうです。1mのノッチができるのには1000年かかるそうですが、ロックアイランドでは最大3mのノッチが見られるので、直近の3000年は海面がこの付近にあったということが分かるわけです(^o^)

 
イメージ 1

私はパラオには行ったことがなくて写真がないので、テレビ画面を写してみました。ボケてしまいましたが、ノッチがどういうものかは分かりますよね(^_-)

 

けれど、2万年前は氷河期で気温が現在より10℃ほど低く、海水面が今より下がっていたことが分かっているので、それなら2万年前に海水面があった所にも同じようなノッチが刻まれているのではないかとの仮説が立てられ、それを検証するために水中カメラが初めて水深120mの海中に入ったのです。

 

これまでに5060m辺りまではダイバーによって、深海は潜水艇によって調査されていたそうですが、120mの水深では地上の13倍もの圧力が人にも機材にもかかってくるため、この深さは調査の空白地帯になっていたのだそうで、初めての調査・撮影だったようです。

 

この調査では、水深100mまではほぼ垂直だった岸壁が、110m辺りから突然緩斜面となっていることが分かり、その付近を調べたところ水深112mの所に現在の海面にあるのと同じようなノッチがあることが確認されて、仮説は見事に証明されたのです\(^o^)/。

 

2万年前の海面は現在の海面より112m低く、その付近から始まっている緩斜面が現在「大陸棚」と呼ばれている部分であって、大陸棚はやはり氷河期には陸地や波打際だったのです\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/。

 

そして、その海面の高さで考えると、現在のパラオの中心部は、当時は南北100kmもある大きな一つの島だったことが分かりますから、やはりここまで推理してきたように、ツバルも南沙諸島も当時は高さが112m以上の、高さも幅もある大きな島だったのです。

 

当然台湾も与那国島も西表島も今よりずっとずっと高さも幅もある大きな島であって、今より112mも浅く、島と島の間にあって幅も狭かった海には、プレートの境界に沿って他にも大小たくさんの島々が小舟で渡って行ける距離に並んでいたのです\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/。

 

例えば、南沙諸島の付近には、↓のように他にもたくさんの環礁や小さな島があって、それぞれの国が様々な建造物を作って自分たちのものだと主張しているわけですが、

 
イメージ 2

イメージ 3

 

今は小さな島や暗礁にすぎないこれらの島も、今見えている部分だけがひょっこりひょうたん島のように海に浮いているわけではなく、すべて海底から成長してきた海底火山の頂上部分なのですから、その裾野はとても広く、海面が下がれば下がるほど大きな島になっていくわけですし、それらの島や暗礁の間には、2万年前には島だったけれど海上に出ていた部分が112mに満たなかったために今は水中に没している島がたくさんあるのです。そして、同じプレート上にある陸地は、最下部ではみな繋がっているのですよね。

 

現在は、幸か不幸か温暖化していて海面が上昇してきているため、それらの島はだんだん小さくなって水没しつつあるわけですが、完全に水没して全く見えなくなってしまえば争いのタネにはならなくなるでしょうか?

 

けれどまた寒冷化してくれば、海面が下がるにつれて島が現れ、だんだん大きくなっていくわけですから、その時はまた激しい領有権の争奪戦になるのでしょうね(T_T)

 

希望的に考えるなら氷河期になると人口は減ってしまいますから争いにはならないかもしれません。でも悲観的に考えると、人間のもっと、もっとという欲望はどんな時にも限りがないようですから、人口が減れば減ったで生き残った人たちの間で争うのかもしれませんね~<(_ _)>




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