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古代史の解釈

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2019.4.10 古代史の解釈
 
この国の成り立ちを描くのだという『ワカタケル』はますます荒唐無稽になってきているようです。

ずっと倭に朝貢していた新羅が朝貢してこなくなったので、ワカタケルは懲罰のために新羅に兵を送り、その戦況を稗田阿礼が鳥たちに報告させていたというのですが、その鳥は海を越える時にはアマサギになり、陣屋の近くではカラスになり、建物の中に入る時はスズメになって全てを見聞きして報告していたのだそうです。
 
でも、スズメはスズメ、カラスはカラスであって、鳥が場面によって自在に別種の鳥に姿を変えるなどということはあり得ませんよね。手紙を運ぶならともかく、鳥自身が何かを報告する(できる)とも思えませんし(^o^)
 
それ以前に、倭という国がやっと国の形を整えようとしていたという設定のこの時期に、ワカタケルが他の国に援助や後ろ盾を求めて朝貢することはあったとしても、すでに王制が確立していた新羅や高句麗が、まだ国の形も整っていない倭に朝貢していたなどということ自体があり得ないことだと私は思うのですが(^_-)
 
『記紀』にそう書いてあるのなら『記紀』がデタラメ(ウソ)を書いたのでしょうし、池澤夏樹氏の解釈か創作なら、池澤氏がデタラメを書いているのだということになりますが、根拠も証拠も事実もなくても「私はそう思う。そう思いたい」というのが「解釈というもの」のようですから、池澤氏はデタラメを書いているわけではなく、歴史学者さんたちの「伝統的な解釈」に基づいて小説を書いているということなのでしょうね。
 
連載が始まる時、私は「この小説は『古事記』の作り話のリメイクになるのではないか」と思ったのですが、やはり池澤氏の解釈は、『記紀』の作り話を丸ごと信じたもので、その根拠になっているのは歴史学者さんたちの『古事記伝』以来の伝統的な説のようです。
 
でも論理的に考えるなら、倭王・武ワカタケルではありませんし、ワカタケルは雄略天皇ではありませんし、倭王・武は雄略天皇ではありません。「記紀」の作り話を信じ、「倭王・武=ワカタケル=雄略天皇」だとしているために、世界遺産に登録申請をしている「仁徳天皇陵」の本当の被葬者は誰なのか、ということを研究者も学者も特定することができないのですよね。被葬者は「仁徳天皇」ではないというところまでは辿り着いたようですが、まだ仁徳天皇は実在の天皇だと信じているようですし・・・・・
 
宇宙は138億年前に誕生し、現在も膨張を続けているということを知っている5才児のチコちゃん、ぜひこの学者さんたちに「いつまでもボーッとウソを信じてんじゃね~よっ!!」と言ってやってください(^o^)
 
でも日本の歴史について、この時期に改めて神がかりの荒唐無稽な解釈を並べ立てているこの小説は、いったい何の目的で書かれているのでしょうね~?
 
改元に合わせて非論理的な神話を改めて国民に刷り込み、「神話を信奉する日本会議」に所属する議員が大部分を占める現政府や、その政府が不正な手を使ってまで開校させようとしていた森友学園のような神道教育を目指す学校を支援するためなのでしょうか?
 

そういえば、忖度や不当な値引きや文書の改竄やウソの答弁をした人たちは全員不起訴になったようですねそのせいかどうか、「自分が忖度したのだ」と得意気に述べる議員さんまで出てきたようです<(_ _)>。

 
 
 

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