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武蔵野台地と湧水65 武内宿禰

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2019.2.20 雄略天皇と武内宿禰
 
古代に300年以上も生きていた人などいたはずがないと私は思うのですが(^_-)、それではなぜ武内宿禰は300年以上も生きていたことになっているのかというと、『記紀』は西暦ではなく、干支や「○○天皇の××年」という書き方をしていますから、『記紀』のオハナシを書いた人たちは、それを通算すると何年になるかということを考えてみなかったのではないでしょうか(^_-)
 
例えば『記紀』は「神武天皇が即位した日を神武元年11日」としたのであって、「紀元前660年の211日」に即位したと記しているわけではないのですよね。それを後の学者が西暦に換算して、「神武元年11西暦では紀元前660211日にあたる」としたため、中途半端な211日が紀元節(現在は建国記念日)だということになってしまったようです(^_^.)
 
何を基準にどういう計算をしたのかわからないのですが<(_ _)>、何かはっきりと分かっている年号や日付を元に『記紀』が記した干支と「○○天皇の××年〇月×日」を当てはめていったら「神武元年11日」は「紀元前660211日」になったということでしょうか?
 
年号といえば、稲荷山古墳から出土した「金錯銘鉄剣」には「辛亥年」と年号が刻まれていたのですが、この「辛亥年」が471年なのか531年なのか『記紀』を盲信する学者さんたちには決め手がなく、「ワカタケルは雄略天皇で雄略天皇は実在の天皇」だと信じる学者さんたちは、この辛亥年は雄略天皇が在位していた471年だということにしているようですが、西暦が使われるようになったのは、1872年(明治5年)に天保暦(太陰太陽暦)がグレゴリオ暦(太陽暦)に変えられて以降で、それ以前のものにはこのように西暦の年号は記されていないのですよね。
 
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古代の天皇がみな100年以上生きていたことになっているのも、そういう計算ではじき出したのかもしれません。これは推測で確かめたわけではないのですが、『記紀』には何歳で死んだと書いてあるのでしょうか?もし書いてあったとしても、もともと架空の人物で作り話なのですから事実ではないわけですが(^o^)
 
8世紀に『記紀』のオハナシを創った人たちは、まさか後々西暦が導入されて、「○○天皇の××年〇月×日」を西暦で計算する人が出てくるなどとは夢にも思っていなかったでしょうね(^o^)
 
武内宿禰も、『日本書紀』には「300年以上生きていた」と記されているわけではなく、「5代の天皇に仕えた」と記されているのだろうと思うのですが、景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代の天皇のうち、実在したのは応神天皇だけで、他の4人は1000年水増しした歴史を埋めるために創られた架空の人物ですから、つまり武内宿禰とは応神天皇に仕えた人たち(崇神派に対して応神派)ということでしょう。
 
ところが、『記紀』を盲信する歴史学者さんたちが、『記紀』が記している5代の天皇の在位期間を西暦に換算して通算してしまったため、71年に即位したことにした景行天皇から399年に没したことにした仁徳天皇まで仕えたのなら300年以上になるということで「武内宿禰という個人」が300年以上も生きていたということになってしまったのだろうと思います(^o^)
 
応神天皇は464506に在位した大王(天皇)であって、架空の仲哀天皇と神功皇后の子でも270年に即位した天皇でもありませんし、武内宿禰という300年以上も長生きした個人がいたわけでもないのです。そしてワカタケル王は架空の雄略天皇ではなく実在した欽明天皇で、鉄剣に刻まれた「辛亥年」は531年なのです。(この説明は「古代の地形から『記紀』の謎を解く」をご参照ください。)
 
でも、西暦に換算したら「武内宿禰は300年以上も生きていた」ということになってしまった時、歴史学者さんたちは「それはおかしい。そんなことはあり得ない」とは思わなかったのでしょうか???
 
たぶん思わなかったのでしょうね<(_ _)>。「国家神道」を教えこまれ、そう信じるように洗脳されていたようですから。でも、まだ洗脳されていなかった子供や普通の感覚を持った人には、『記紀』のウソや、それを信じた学者さんたちが書いた教科書のウソが普通に分かっていたようです。
 
「神道教育」を掲げ、有無を言わせず幼児期から荒唐無稽な神話を刷り込もうとしていた「森友学園」の教育方針は、教育ではなく「洗脳」であると私は思います。
 
 

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