12.2の「杉並区の遺跡」の続きに戻ります。
杉並区郷土博物館を出て、裏手を流れる善福寺川に行ってみると↓の表示があったのですが、川の源流というのは遠い山にあるのだろうと思っていたのに、ほんの8.8km先の町中にあるようなので、その源流とはどんなところなのかを確かめに遲野井の滝に行ってみました(^o^)。
遲野井の滝は善福寺公園の中にあったのですが、ハケから小さな滝となって流れ落ちる湧水が大きな善福寺池作り、その池からあふれ出した水が周辺のハケからの湧水を集めて善福寺川になっていたようです。武蔵野台地のハケからの湧水は大きな池を作って川となって流れ続け、近年までたびたび洪水を起こしていたほどに量が多かったのですね。
善福寺池(上の池)
遲野井の滝
善福寺川
けれど現在は、湧水がほとんど枯れてしまっているため、ポンプアップした地下水と千川上水からの導水で量を保っているのだそうです<(_ _)>。今は台地の上がほとんどコンクリートやアスファルトや住宅で覆われてしまっていて、雨水はみな下水に流れて行ってしまうのですから、湧水が枯渇するのは当然ですね(T_T)。
そのため、上流では洪水がなくなった代わりに大量の雨水が一気に流れ込むようになった下流低地の都市型洪水が大きな問題になってきているのですから、いま緊急に調整池や遊水池が必要なのは、上流ではなく下流域であろうと思うのですが、江戸時代まで海や海の跡の湿地だった平らな下町には、隙間なく住宅やビルが建っていますから、大きな調整池を造ることなどできないでしょうね<(_ _)>。
けれど、各地のハザードマップが浸水の可能性を示しているのは、江戸時代頃まで海や湿地だった所であり、近年の豪雨による洪水で浸水したり水没してしまったりした所は、2015年の鬼怒川の流域も、今年の岡山の小田川や高梁川の流域もみなそういう場所なのです。