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ロプ・ノールの塩の層

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2019.5.10 ロプ・ノールの塩の層 
 
先日、タクラマカン砂漠はかつての海の跡であり、さまよえる湖ロプ・ノールの湖底には、サハラ砂漠の岩塩床と同じような塩の層があるのではないかと推理したのですが、湖底には本当に塩の層がありました\(^o^)/。
 
『さまよえる湖』を読んでいたら、ヘディンの一行がカヌーで川を下って復活したロプノールに辿り着いたところで
 
男たちは、ねばついて足を取る湖底の上をカヌーを引きずりながら、汗を滴らせて、息も絶えんばかりに疲労困憊している。泥の沈殿物の下には、結晶した固い塩があり、男たちの足を傷つける
 
との記述がありました。湖底にはやはり固い塩の層(岩塩)があったのです\(^o^)/。河口の南西には、湖がまるで海の入り江のように広がっていて、鴎が飛んでいる様子は、まるで海岸にいるかのようだったそうです。

↓の地図の点線で示されているのがヘディン一行がカヌーで下ったルートです。

イメージ 1

 
この塩を含んだ泥土をトルコ人は「ショル」と呼んでいるそうですが、湖底の泥を調べると一番上には厚さ5ミリの黄色い泥の層があり、その下には厚さ10センチの黒い泥の層、その下に比較的荒い砂の層があって、その下は厚さ8センチの結晶した塩の層であり、所によっては塩の層はもっと厚かったそうです。
 
湖の北部は淡水に近かったそうですが、これは北の山々から雪解け水が流れ込んでいるからでしょうか。その辺りは背びれが水面に見えるほど水深が浅いのに体長1mを越えるような魚がたくさんいたそうです。大味であまりおいしくはなかったそうですが、汽水域を好む魚だったのでしょうか。それとももともとは川の魚なので、塩分の濃い所では生きられないため、この浅瀬の汽水域に集まっていたのでしょうか。
 
けれど、そこには水藻などの植物は全くなく、甲殻類や虫の姿もなかったので、魚は何を食べて生きているのだろう?とヘディンは疑問に思ったようですが、本当になぜそこで多くの魚が繁殖できて大きく育つことができたのでしょうね?
 
ヘディンはもしかすると湖底の泥の中に、何か養分となる有機物が含まれているのかもしれないと考えたようですが、川がここに戻ってくるまで1600年もの間不毛の砂漠だった所に有機物が豊富にあったとは思えないのですが・・・・
 
行ったこともなく、最近までロプ・ノールがどこにあるのかも知らず、『さまよえる湖』も読んだことがなかった私ですが、恣意的なつじつま合わせをせずに疑問に思ったことを論理的に考えていった結果の「ロプ・ノールの湖底には岩塩の層があるのではないか」という推理は間違っていなかったことが証明されたようです\(^o^)/。
 
 
 
 

 


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