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歴代天皇の肖像画

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2019.5.1 歴代天皇の肖像画 
 
改元に合わせて新札が発行されることになり、過去に発行されたお札が紹介されていましたが、神武天皇や、日本武尊、推古天皇、300年以上も生きていたという武内宿禰などの架空の人物にもちゃんと「肖像画」があってお札になっていたようです。
 
私も謎解きを始めるまで、肖像画があってそれが1万円札にまでなっていた聖徳太子が架空の人物だなどとは夢にも考えたことがありませんでした。教科書にも載っていましたし、太子が煬帝に送ったという国書の記録もあるのですし。
 
実在の人物だと思っていたからこそ、本当はどんな人だったのだろう?と興味が湧いたのですが、調べてみたらアヤシいことばかりで、結局架空の人物だということが分かりました<(_ _)>。考えてみれば、太子にすぎない人が「天子」を詐称して隋の皇帝に国書を送るなどということができたはずはないのですし。
 
聖徳太子の肖像画
イメージ 1
 
私は明治以降の天皇以外の天皇をほとんど知らなかったので、天皇の名前が出てくるたびに「それはいつ頃の天皇?」といちいち調べなければならなかったのですが<(_ _)>、どの天皇にも必ず肖像画が出てくるので、「肖像画」って紀元前からあったのだろうか?と疑問に思っていました。
 
謎解きをしているうちに、「聖徳太子の肖像画」とされてきたものは、平安時代に描かれたもので聖徳太子の肖像画ではないということが分かり、そこから『記紀』にはウソが多く、架空の天皇も多いようだということが分かってきてしまったのですが、それならなぜ架空の天皇や架空の人物に「肖像画」があるのだろう?いったい誰が、いつそれらの「肖像画」を描いたのだろう?と疑問に思ったものの、その時には分かりませんでした。
 
ところが、改元に関してマスコミが大量に垂れ流していた歴代天皇の情報の中にお札になった架空の天皇の「肖像画」を描いたのは誰だったのかという情報が混じっていました(^o^)
 
これらの「肖像画」と称する絵を描いたのは、1907年生れの肖像画家・馬堀喜孝(まほり よしたか)という人で、この「歴代天皇御肖像」は、一之宮貫前神社が所蔵しているのだそうです。
 
それではこれらの「歴代天皇の肖像画」と称され、教科書に載せられたりお札になったりしていたものは「肖像画」ではなく、20世紀の画家が見たこともない人や架空の人物を描いた「想像画」だったのですね。
 
この画家は、歴代総理大臣の肖像画や、旧一万円札の聖徳太子や、旧千円札の伊藤博文や、旧五百円札の岩倉具視の肖像画なども描いたそうですが、同時代の人や、写真が残っている人ならともかく、何千年も前の人や架空の人物を描いた絵が「肖像画」であるはずはありませんよね~。
 
やはり「肖像画がある」からといってその人物が実在していたという証明にはなりませんし、法隆寺に何体もあるという「聖徳太子像」も聖徳太子の実在を証明するものではないのです。
 
私は「元号」はなくしてほしいと思っているのですが、
今回は改元のおかげ(?)で、「いったいいつ、誰がそれらの肖像画を描いたのだろう」という疑問が図らずも解決することになりました(^_^.)
 
 

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